指導方針
1.まず、子どもの気持ちを考えてみよう!
子供が親に望むこと
自分の活動に対する援助
結果ではなく、努力やパフォーマンスに対する賞賛
勝つことよりも、子どもを大切にする姿勢
忍耐力
一貫性ある態度
子供が親に望まないこと
子どもの活動を否定する、無視する、無関心
試合の最中にコーチする、怒鳴る、ののしる、暴力的になる、皮肉を言う
審判や他のチームを罵倒する
子供が指導者に望むこと
自分を承認される
安全、楽しさ
指導力の高さ(指導の質の高さ)
鼓舞
子どもを理解しようとする姿勢
各年齢段階における、子どもの発達に関する知識
子供が指導者に望まないこと
楽しくない、安全でない、退屈。
能力がないとみなされる。
競争が激しすぎる。
悪い経験。
認めてもらえない。
2.発育発達段階に応じた指導をする
指導者の経験と知識、サッカーの専門家としての理論、またスポーツ科学に基づく視点から、子ども一人一人のそのときの状況において最善の対応を考えて指導します。具体的には以下のことを心がけて指導します。
・将来を見据えた指導。
(目先の小さな勝利よりも、個性を伸ばす指導)
・指導方法や言葉かけの選択。
(集中力が無い年齢では、しっかりと話を聞く姿勢を取らせてから話をはじめる。同じ内容の指導でも、子供によって、また同じ子どもでもその時の状況によって、アプローチを変える、等。)
キッズ
子供たちが楽しみながら活動できるような「コーディネーショントレーニング」を取り入れています。具体的な練習内容としては、さまざまなランニング、ステップ、ジャンプ、リレー、障害物競走、反応練習、バランス練習、リズム練習など。これらの練習をボールなし、ボールありで行います。また、トレーニングには「判断する」要素を取り入れ、判断することを習慣づけます。
3・4年生
ボールコントロール技術や1対1の対人練習、サッカーの原理原則、サッカーのルール等、個人技術・個人戦術に主眼を置いた指導をこの時期に行います。また、この年代の子供は筋肉の疲労も感じにくく、ともすればオーバーワークになりがちですが、成長期に大きく成長するために休養を多めに取ります。
5・6年生
キッズ、3・4年で積み上げてきたことに加え、この時期には技術だけではなく、強さ、スピード(プレースピード、判断スピード)もある程度求めていきます。考えるサッカー(個人戦術)を小さいころから習慣化させることにより、6年生後半になると判断スピードが飛躍的に上がります。また、ディフェンスの原理原則、オフェンスの崩しの考え方などを学び理解することにより、中学生以降の11人制のサッカーにスムーズに移行できるよう指導します。
飛び級制度
VALIANTでは飛び級制度を導入しています。飛び級は下の学年の選手を上の学年の活動に参加させることにより、本人のレベルアップを図ると共に、スムーズに技術や戦術を次の学年に伝えることが出来ます。その繰り返しによって、チームの伝統が築かれていくと考えています。
※飛び級とは スタッフの指定する日に、上の学年の活動に参加する資格が得られること。
選考基準について
- 上の学年で取り組んでいる内容に、スタメンレベルで取り組めること。
- 向上心が豊富なこと。
- 上級生の中に入っても、体力的・精神的に遜色無いこと。
主にこの3点をもとに、スタッフが選出します。VALIANTでは、発育発達状況に基づき、早熟な子供には上の学年の中でプレーできる場を用意します。
3.生涯サッカー(生涯スポーツ)につながるサッカー活動をする
サッカーを好きにさせる、歓びを見出す
小学生の年代では、何よりまず「サッカーが好き!」という気持ちを大切にします。好きになることが、一番の上達への近道であり、将来何らかの形でサッカーに関わっていく基礎になると考えます。そのために指導者が心がけることとしては、以下のようなことが考えられます。
- 子供たちが納得できる、満足できる指導をする。
- ほめる。
- 情熱を伝える。(できるだけ一緒にプレーする。よいプレーを間近で見せる。)
- 考えるプレーを意識させる。(自分で次のステップにつなげる。考えることの習慣付けをする。)
- ミスを責めるより、そこから学ばせる。(なぜそのプレーに至ったのか気持ちを探り、柔軟に対応する。ミスしたあとの対応の方が大切。)
- 子供一人一人を観てあげる。
サッカーを通して社会性を身につけさせる
指導者のプロサッカーコーチとしての視点、そして保護者の方々の社会人としての視点から、子ども達一人一人を取り巻く、VALIANT全体の共通の目標として取り組みます。
- 「自分も活きるし、味方も活かす」という発想。
- サッカーのルールから、社会のルールを学ぶ。
- 社会人(地域人)としての自覚を、VALIANTの活動を通して身に付ける。
4.自己表現ができる環境をつくる
引出しを増やす
例えばストレッチでは、「筋を伸ばす」ことよりも「関節の稼動範囲を広げる」ことに重点を置けば、プレーの幅がひろがります。また、「コーディネーショントレーニング」をすることにより、自分の思い通りに体を動かせるようになります。ボールマスタリーの練習をすることにより、自分のアイデアを思いのままに表現できるようになります。つまり、このようなことを少年期にやっておくことにより、「個性」を発揮する土台を作ることが出来るのです。高校・大学と進むにつれ、所属チームや指導者が変わり求められるサッカーが変わっても、あるいは他のスポーツを行うようになっても、それに対応できる土台を作っておくことが大切だと考えます。
・プレーのレパートリーを増やす。(出来るだけ多くの技術を体験させる。元Jリーガーによる指導。フットサル大会への参加、など。)
・発想のレパートリーを増やす。(子どもの考え方を否定しない。その上で、指導者や他の人の考えも認め、吸収させる。)
・指導者が一緒にプレーし、間近でよいプレーを見せる。
成功の機会を増やす
一人一人がボールに触る機会が増えれば、それだけ多くの成功の経験を積むことが出来、「楽しい!!」、「またやりたい!!」等の次につながる気持ちに結びつきます。
・チャレンジできる環境をつくる。(子どもの自主性を大切にする。子どもの体を動かし、心を動かす。ミスを責めるより、そこから学ばせる。子どもの意見を遮らずに聞く。子どもが考える手助けをする。)
・子どもの身につく指導をする。(アドバイスは短く、的確にする。何事も身につくまでは時間がかかる。アドバイスした後、子どもに理解・修正させてからプレイに戻す。)
個性に応じた指導をする
子ども達はそれぞれ違う個性を持っています。子ども達一人一人の個性を理解し、それぞれに合った言葉かけや接し方で、そのときのその子どもに一番必要な事柄を分析し、それに基づいて指導をします。
・1を教えるのに、10の知識をもつこと。指導者はコーチングの勉強を怠ってはならない。
・子ども達を理解するよう努める。
・子ども達にプライドを持たせる。(他の子どもと比較しない。)
・教えすぎない。(型にはめない。)
・常に逆の視点の意識をもたせる。
・短所を直す以上に、長所を伸ばす。(長所を誉める。)
・考えるプレーの習慣化を促す。
5.東京・清瀬VALIANTの子ども達に望むこと
精神面での成長
自己表現ができる
・プレーや言葉で自分をアピールできる。(向上心を持つ。)
・創造や工夫が出来る。
・自分で判断できる。(冷静になれる。)
・プライドを持つ。
自己管理が出来る
・時間の管理が出来る。(試合中のゲームコントロール、日常の時間の概念)
・体調管理が出来る。(食事・睡眠などの一日の体調管理、スケジュールにあわせた長期の体調管理)
・道具の管理が出来る。(忘れ物、紛失)
社会性を身につける
・自分も活きるし、味方も活かす。(ゲーム中・日常において人を思いやる。人の良い点を見つける。人に信頼されるような行動を取るよう心がける。)
・自分の意見や考えを相手に伝える。(質問やディスカッションができる。)
身体・技術面での成長
テクニック
・ボールコントロールの習得。(得意なテクニックを作る。ファーストコントロールの質を高める。)
・上手な人のまねをしてみる。
・他の人と違うことをやってみる。(逆のことを考えてみる)
・反復練習。(考えなくてもできるように、体で覚える)
個人戦術
(個がより良いプレーをするために必要な戦術)
・観る。(ゴール・スペース・相手・仲間・ボール)
・冷静な判断ができる。(判断スピードを徐々に早くする。)
・考えたプレイができる。(ねらいのあるプレー、創造性のあるプレー)
・リカバリーできる。(とられたら取り返す。状況に合わせてプレーを修正する。)
・プレースピードを上げる。
インサイト
(奥深く考える力)
・自分も活きるし、仲間も活かすプレー。(自分を表現してアピールし、味方を思いやる。コミュニケーションがとれる。)
・仲間と相手、両方を観察し、仲間と心を通わせる。相手と駆け引きをする。
・状況を判断し、最適なプレーを選択することができる。
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